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2007年03月号 脳天気 農文化 |
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発行;庭しんぶん 庭プレス社 |
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070331 シリーズ・農字 05「草」 | ||
くさかんむりの古い字体は「艸」と書き「くさ」をあらわす。それと「早(そう)」(どんぐりの形)を組み合わせた「草(そう)」は、くぬぎなどの実をあらわして「くさ」の意味ではないが、のち「艸(そう)」のかわりに「草」の字を借りて「くさ」をあらわすようになった、とのこと。 農的だからな、と関連しそうな部首を辞書で見ると、あるある。このコーナーが今後やれるかどうか心配になる。くさかんむりの付く字は手持ちのハンディな漢和辞書には約170、コンピュータの文字パレット(egbridge)を見ると500余りが...。 「草」の、私的な思い出で恐縮だが、この北海道に着いたばかりのころ、20年余年前に木工家Oさんに出会った。彼も内地から移住したばかりで「挽きもの」を専門にしていた。私はよせばいいのに当時建築のほかに家具なんぞこしらえていて、二人でその材料の木だとか技術だとか美だとかについて、互いの粗末な作業場でよく話し込んだ。目標と思われた先人が重なったり同じ傾向の本を読んでいたりして気が合った。魅かれたといえば少し違うのかもしれないがなんだか同士のような気分だった。 (ナガタ・ま) |
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070328 シリーズ・農字 04「科」 | ||
「禾」(穀物)と「斗(と)」(ます)とを合わせて、穀物をますではかりわけていることをあらわす。そこから「等級」「区分」の意味に使う、とある。
今日の新聞トップには「道徳」の授業を教科に格上げしようということが政府の方針として出されたことが報じられている。国家による教育のコントロールは、特にその枠組みについて、規格・制約を強化することは愚と言うしかない。言葉はいいようにもてあそばれる。「修身のように先祖返りするものでない」と首謀者は言う。そんな言い分けがましいことに興味はない。それよりもこういったことが新しい時代の機運かどうかを評価すべきであると考える。 (ナガタ・ま) |
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070328 シリーズ・農字 03「美」 | ||
“「羊」と「大きい」とを合わせて、よく肥えた大きな羊のように、かっこうが良い、りっぱだということをあらわす”と辞書。「大きい」は別に「人」の意もあるのではないか、との知人説も。
「美しい」と「肥える」の関係は現在の日本では受け入れに抵抗があるだろう。街行く女性たちの極細なことったら、漢の国の人に言わせたらきっと「美しくない」。 (ナガタ・ま) |
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070313 シリーズ・農字 02「農」 | ||
シリーズ2回目にしてこの新聞の勲章みたいな文字の登場であります。大意は「林」を「田」にかえたもの、耕作をすること。重ねて「くさぎる(耘る);田畑の雑草を除き去る」とあります。云の左は「すきへん」で、これは農具・鋤(すき)です。博物館でなければお目にかかれないモノにちなんだ文字は化石のようなものでしょうか。
木村茂光さんは「ハタケと日本人(中公新書1996刊)」の冒頭、畑・畠の字は漢字を翻訳して作られた国字(日本で作られた)である。オリジナルの漢字でハタケは「圃」で、家屋の周囲に存在した小規模な畠作地を指す。畠の広大なものとしては「田」という字が該当し、それは現在の日本でいう水田とは一線を画する、等興味深い指摘をしています。 (ナガタ・ま) |
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