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2009年05月号 / Top 脳天気 農文化 |
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発行;庭しんぶん 庭プレス社 |
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090528 シリーズ・農字 17「菌」 | ||
くさかんむりの下の「困」にちょっと似たカタチは、これだけで「キン」と呼び、↑(上向き矢印)の形をした米蔵の意味。上下合わせ、↑の形をした「きのこ」をあらわす、のだそうです。
菌といえば、当節「豚インフルエンザ」。当プレスの社説担当A氏が取り上げていますが、日本国内の報道(マスメディア)はヘンだという印象が、騒がしさのおかげで強まりました。 ネット環境の中では、そうではないものが散見できました。ラジカルなフランス農民連盟がAttacと共同で出した声明は、世界企業が支配下に置く「工場化された農業」が持つ性質の一端があらわれた、というまともな切り口だったと思われ評価したいと思います。 こういう機会にネットを覗けば、まあいろんな情報が飛び交っているのだなあとたまげます。その内容が果たして正しいのかどうかを見極める術はなかなか身につけられるものではありません。情報が刺激的であるほど風評も拡大しやすく、真偽を問わないままその一端を自分も担うということが、マスク以上に簡単にできます。 中国はそのデカさにおいてさまざまに世界に影響力を持っているわけですが、豚の飼育頭数は年あたり約5億頭とのこと(帝国書院資料)。全世界では9.4億頭なので、だいたい世界の豚の半数は中国で飼われているわけです。アメリカ合衆国が約6000万、メキシコが1500万などはシェアが大きい方だが中国は群を抜いている。中国の人口が約13億で世界の2割くらいでしょうか。いくら豚大好き高度成長のただ中にあっても、それが即、中国のヒトはたーくさん豚を食べている、につながらないでしょう(メキシコがそうであるように)。 その中国の豚が最近大量死しているニュースなどもマスコミはほとんど取り上げないけれど、中国国内で生産された豚も「豚肉」となって(メキシコ産豚肉同様)世界を飛び交っており、別にそれは中国の企業(だけ)が行っているのではなく、世界企業の介在はあきらかでしょう。 スーパーの店頭で「国内○○産」とあれば、まあましか、という印象に結びつけたいが、たとえば魚であればそこでの水揚げをさすとは限らず、単に「加工」しただけという製品も多々あるわけで、魑魅魍魎さは度合いを増したということが実感されます。 それに毒があるのか、菌が混入しているのか、のチェックに消耗することより、私たちはそういった巨大流通に極力ぶらさがらなくてよい、対抗手段を持つ必要がますます強まっていると思います。 (ナガタ・ま) |
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