2007年04月号
にわにわにわ研
発行;庭しんぶん
庭プレス社
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070430 野菜作りの大先輩、Hさんに会いに行く
文・写真/mau 記者
plastic hot-house

写真上から、

1、ビニルハウス
2、シソ、ミツバ
3、ほうれん草
4、マルチの様子
5、作業小屋
6、ニラ
7、ヤグラネギ
8、ボウズシラズ

 4月28日、Hさんに会いに行ってきました。

 Hさんは札幌市南区の自宅の庭で野菜を作っていて、御年78歳、以前は市の農業センターで野菜づくりの指導・研究をされていた方です。6年ほど前に知り合った頃には面白いことをやっているなあと横目で見ながら野菜のことを聞いても正直あまり頭に入ってこなかったのですが、自分が野菜作りを始めてから身近に先生がいたのだったと気づいたのでした。

 今の時期はビニールハウスで苗作りと、露地では葉ものなど。作る野菜の種類は50種類ほど(と言っていたけど話を聞いているともっとありそう)。畑の広さは聞かなかったけどどのくらいなんでしょうね、プロよりは狭く、自家用にしてはかなり広い。実際野菜は余るほどできるのだそうです。
 ハウスは頭をかがめて入る高さのカマボコ型で15mくらい、苗といってもポットの中に蒔いているものもあれば土に直接蒔いているものもあって(へえ、そういうものなんだ)、ハウスの中でさらにビニールの覆いをしているものもあった。
 「ハウスはとにかく、温度調節に気を使うね。」これは最近自分もエセ・ビニールハウスに挑戦中なのでよく理解できる。Hさんの場合は上がりすぎたらドアを開けたりビニールをめくったりして温度を下げ、夜は電熱を入れ、と言った具合。
 露地ものはビニールでマルチをしていた。私はビニールで覆いをしてしまって、空気が足りなくならないのかしらと思うのだけれど、「それは部屋のドアを閉めたら窒息すると言っているようなもの。土は空気を含んでいるから大丈夫。」
 畑で目立っていたのは去年から植えられているネギ、ニンニク、ニラなど。「ネギは冬を越すとおいしくなるんだね。冬に(自分の体が)凍らないように糖分を蓄えるから。糖分とか塩分が多いと、ものは凍らないでしょう。」あ、なるほど。ネギ坊主の代わりにネギの上にまたネギができる「ヤグラネギ(二階ネギ、サーカスネギともいう)」、ネギ坊主ができずに株分けで増やす「坊主知らず」など、変わりネギを育てている。

 気になっていた芽出しのことを聞いてみる。
 Hさんは基本的に芽出しをしてから種を蒔くとのことですが、そのやり方がユニークなのです。種を一晩水に浸けて、その後肌身離さず「抱く」、つまり体温で芽出しするんですね。Hさんのblogでそのことを読んでから、腕に巻きつけるのかお腹にポケットでもつくって入れるのかそのやり方が気になってしょうがなかったのだけれど、今日その「道具」を見せてもらいました。あはは。Hさんこの話が出るとにやりと笑って「特許とってるから」。暗に秘密だよ、と言われたので写真は載せませんが、首から下げるものでした(おっと、書いちゃった)。つまり体温が高いところで暖めるということなのでしょう。思っていたよりずっとシンプルなものでした。アイデア勝負です、オモシロイ。これから蒔く種はやってみようかな。

 自分が気になっていた質問をする。

 我が家の庭のように日当りが悪くても育つ野菜はありますか?

 「三つ葉は半日陰でもいい。割と葉ものは日照が少なくても育つよ」
 「ナスとかトマトとか、果菜は日照がないとだめだね」

 ベランダにプランターを置いてトマトやナスなどを育てようと思うのですが、注意することはありますか?

 「(ハコ栽培はあまり良くないと思うけど、)小さいプランターはすぐ乾くし肥料分もすぐなくなるから、やるなら大きいプランターを使うといいよ。」とのこと。我が家は、日当りの悪い露地と2階のベランダのハコ栽培と、どちらが悪条件かというとどっちもどっちなので今年もやります、プランター。

 タマネギを育てているんですが、皆、タマネギは難しいと言います。その理由は?

 「タマネギはリン酸がないと育たないけど、日本の土壌にはもともとリン酸がない。だから古い畑で作った方がいい。」

 蒔いた種のうちナスの芽だけ出てこないんです。

 「ナスは変温性(反対は恒温性)の野菜で、日中と夜の温度差がないと芽が出ないんだよ」

 変温性!昼と夜の温度差が必要だということですね。そうですか、早速帰ったら対処します。と、ここでHさんが昔種苗メーカーに頼まれて書いたというカタログを出してきてくれた。「育苗の保温目安が書いてあるから、参考に。」何と、頂いてしまいました。ありがとうございます!
 この『野菜の苗作り』というカタログによるとナスは「果菜類の中では最も高温性に属する作物で生育が遅く育苗日数も長い。育苗中は地温、気温ともに十分に確保しなければならない」とのこと。あったかくして気長に待てってことでしょうか。ちなみに晴れの日で育苗気温は昼30度、夜22度、育苗地温は26度が目標(ナスの場合)とのこと。かなり暖かくしないと育たないんですね。

 こんな感じで、いろいろ教えていただきました。今年はH家の庭に通って勉強しようと企んでいます。これは講師料払わないといけないなあ。Hさん、労働力と交換でどうでしょう?

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