2010年2月号
にわにわにわ研
発行;庭しんぶん
庭プレス社
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100228 柏村さん
北京的農的くらし便り02文/植村 絵美

 脱いだ時に裏返されたのズボンのポッケット、ふと見ると柏村と書いてある。
 ずっと昔に中島公園のフリマでおじさんから50円で買ったズボン。あーあのおじさん柏村っていうんだ。
 そのグレーの紳士服:右足モモ部にでっかい油シミがついている、とれない。

 中華料理は油たっぷりである。大人になりつつもこぼす癖はおさまらずこのシミも外食先でつけてきた。
 でも最近は外食を避ける傾向にあり、その理由のひとつが体調を崩すことにある。
 MSG=Mr.味の素がさかんにふりかけられ、にんにく、辛さの刺激たっぷりな料理にも胃は惨敗である。
 他にも理由がある、食品の安全性である。

 数年前は中国食バッシング記事が横行していた。北京に来る以前、何を食べたら良いんだろうと考えていた。
 中国は貧富の差は幅広く生活レベルもピンキリであるが、北京は首都、文化の中心、外国人が多いということもあり、ある一定層の人々の食の安全性を求めている。それは消費者と直結する市場にて見られる。では「食品を手に入れる方法」いくつか紹介していきます

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1、オーガニックスーパー/外資系スーパー

 "LOHAO"中国に23件程構えるオーガニックチェーン店。ロ、ハ、オ。(あいつの親戚か?)Lifestyle of Health And Organic。あぁ、ライフスタイル産業の仲間ね、はいはい。とい思いつつもここで玄米と黒インゲン豆を購入。私もこの産業に投資している。真実かはさだかではないが、中国国内産有機穀物ということを明記している。中国の富裕層の人々は高くても良いから安全なものを求める傾向にある。価格は通常商品の4〜5倍だとか。私が購入した玄米2.5kgで700円程。日本と変わりないか安いくらいだろうか。野菜類はラップでグルグル巻き。北京郊外の農場の物らしいがこの時期はなぞ。このお店は国内のみならず海外の有機栽培加工品も取り扱っている。北京でインフルエンザが大流行した時、一次的に地元の乳製品が売られなくなった。しかし、ニュージーランド産の牛乳が売られていたそう!キモイ!こっちのほうが大量の保存料が投入されてよっぽど飲みたくない。だが、規則正しく毎日牛乳を飲みましょうと植え付けた(られた)習慣はそうは簡単に変更がきかない。
 (目標(仮)1:米農家に知り合いを作り、豆は自給します)

2、市場

 北京市内に市場は沢山ある。路地をちょっと入っていくとなんだ!活気!と思うとそこは市場。中はまず果物屋、やおや、豆腐屋、麺類粉物屋、胡麻油屋、肉屋、魚屋、豆腐屋、総菜屋、等。私は肉屋と魚屋は素通りー肉は特別な時以外は食べない習慣のもと。(肉は切り分けてくれるまたは枝肉)魚は内陸北京ではなんだか信じたくない。(魚は切り身だったり、生け簀で)、やおやーは見事なまでに奇麗に陳列されている野菜達、この時期ほとんどは中国南部からやってくるのであろう。これらは安全、つまり農薬がかかってないとはいいきれない。豆腐屋ー大豆は輸入かな?中国も大豆は輸入に依存していると聞いた。それでも、夕方になると市場で野菜、豆腐等購入することが多い。やおやのおばさんと言葉を話せないだけで笑顔がこぼれる、というかとりあえず笑っとく。

3、路上の朝市

 朝7時から10時まで我が団結(!)湖町内路上にはやおや、物売り達の露店が1km程毎日!出現する。それぞれリアカー、荷台付き三輪自転車(欲しい!)、車等で荷物を運びまた奇麗さっぱりと帰っていく。この時間帯道路は完全歩行者天国になっておりとはいっても人が多くかき分けて進む。我が家は冷蔵庫がないので朝ここで調達できるときは、便利だし活気の中にいるだけで面白いので利用。売る人も買う人もみんながわめいているし自分も笑い、笑われる。だが、食の安全性は市場と同じようにまるでわからない。

4、地元のスーパー

 普段ほとんど利用しない。野菜はへな〜としていたり、ラップでグルグルまきだったりする。調味料を手に入れる時に利用。

5、契約農家から配送してもらうシステム

 これに関してはリサーチ不足。

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 通っている中国医学の先生も「中国のものは信頼できない。こちらのものを食べると下痢をする。私は近所のドイツ系食料品店のオーガニックのものを摂取しているよ」とおっしゃる。おいおい、中医学の先生さんよ。もうちょっと中国の良い部分の食の話が聞きたいんだよ。確かに海外オーガニックは高品質だろう(認証、基準等によると)。だが、輸送にかかるコストとか石油とか、ラップグルグルとか考えるとそこまで投資する気にならない。でも、下痢人生なんていや〜!やおやのおばさん達との会話はきえちゃうの?地産地消は無理なわけ??

 はっ!そうでした、私の畑もうすぐ始まるのでした。というわけで目標(仮)プラスアルファーに向けやってみます。

 

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編集者註;書き手は2009年度・講座農的くらしのレッスン参加者。2009年12月より北京在住。

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