2007年11月号
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発行;庭しんぶん
庭プレス社
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071125 映画「素人の乱」をみる
/ナガタ・ま

 東京・高円寺の街中で活動するワカモノたちがドキュメントされている。

 映画のはじまりの前に関係者のトークが少しあり、高円寺とは現代都市計画がなぜかうまくいかなかった結果かもしだされた下町性(東京東部・北部などとは一味違う〜中央線文化?のせいか)や環七(環状7号線)などによって特徴づけられた雑然としたところで、借り賃が手ごろな木賃アパートが豊富にあり、リッチではない(が、特有の指向性を持った〜とは言わなかった)ワカモノがたくさん住んでいる街、でアルという予備知識のもとに観てください、とのこと。
 そうだっけ?中央線で新宿から西に向かえば、吉祥寺あたりまではなんか同じように雑然とした感じかなぁと思ってたけれど。...そうなんだ。

 ワカモノ、映画の主人公・松本クン一派のやらかすことは相当に騒々しい。音がデカイことだったら、そんなものはいくらでも街にあふれている。でも、路上にコタツを持出しサンマを焼き、ごく少人数のデモで大勢の官憲を煙に巻き、また選挙に出れば街で合法的に騒げる、などと、やっていることはじゅうぶんに目論見があり、そして今どき相当に閃いている。ヤル。
 「乱」、カウンターなんとかと括るか、いや「シロート乗らん」だろうか。

 選挙活動?で合言葉のようにラップで叫ばれる「ハッタッラッカネーゾ!」。
 被写体の彼らはビンボーを自認し、アピールする。ビンボーに開き直っている、というか、この先進コクという枠組みの中にあってビンボーでいることを意気がっている。そういうフィクション、そういう目線の中に自分を置く。でも、よくはわからない。きっとよくわからないまま(わかること自体も信頼できない)そう口にする彼らの姿が、この映画の眼目だろうか。

 働かない、そう、働けるかよ。「んじゃどーすんだ。」は愚問だろう。んなもの明快に言えたら叫ばない、っちゅうか、ニートだフリーターだと振り分けておいてそれを創意工夫(手練手管?)で脱出しオレタチの社会に参画せよ、なーんてたとえばオジサンたちは彼らを監視しているのだ。いい加減にして税金払えよ。年金もだ。ケータイから吸い上げるカネじゃ足んないんだよ。君らがちゃんと働いてくれなきゃ、このおクニの将来(とオジサンたちの老後)がないんだよ。こっちの水は甘いぞ。辛いぞぉ。
 迷惑だぞう、世の中コワイんだぞう。叫ばなきゃ。

 松本クンたちが営んでいる(そう、働いている)リサイクル・ショップ(&飲み屋&カフェ&ラジオ局...)は相当にアヤシイ。店舗が増殖中、急成長。それがわけわかんなかったが、ま、いい。わかんないままだけれど彼らが伸ばす触手はかなりキモチいい。その動きじたいがまともに政治的であるとともにアートでもある。ヒビだらけのアスファルト道路につーっと染み込んでいくあたらしいゲリラ。

 気をつけたまえ、出る釘は打たれる。
 あん?なんだこの釘ぃ、ふにゃふにゃしてるぅ!

※「素人の乱」のウエブサイト;
http://keita.trio4.nobody.jp/

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