オリンピックだというので、腹立ちまぎれに放ったらかしマメの雑草抜きをしたのだった。
たいそうはかどった。
日本人は勝つのが好きだ、と思う。それも極端に。
オリンピックの招致レースに勝ったからにはメデタイ!提灯行列でもするか?
…地球の上はみんなマグロなのだ
マグロは原爆を憎み
水爆にはまた脅かされて
腹立ちまぎれに、腹立ちまぎれに、現代を
生きているのだ
(詞・山之口漠、曲・高田渡)
そういう日本人が太平洋戦争に勝てなかったのはさぞつらかったに違いない。しかしその後の経済戦争に世界中で勝ち抜き、多くの自国人に「高度成長はよかった」「豊かになった」「ドンパチがなく平和でよかった」と言わしめた。
そう、ピストルやナイフがなくたってタタカイはでき、コロシだって可能だったから。
たいがいのスポーツに勝ち負けがある。
勝ち負けが前提とされるいうことで遠ざけたい気分にわたしはなる。
ラジオが行進曲なんぞをはじめるとブチっと切るのでまわりはやや面食らう。パチンコ屋、行進曲をがなり立てなかったら行ったかも。大きな電気屋Yは雰囲気が行進曲のかたまりみたいで近づきがたい。あれもこれも手に入れて人生ゲームに勝とう!みたいな。
スポーツ、参加するだけで意義があるって学んだ。そうなのか?
意義が大きい、良いことだから、なにをさておいてもクニが一丸となって招致活動をした。トルコもスペインもそこまでしたのか?
ほんとうに勝つことが大好きなのだ、日本って。勝つためだったらなんだってするし、出任せも言う。勝てば官軍って。
だいたい自分の名前に「勝」という字が入っていることが物心ついて以来重荷だった。名付けた親、というより、そういうものを大事にする日本ってーのがヤなかんじだった。
勝つ、というのは一方が負ける。勝てば強くて偉くて尊敬される。負けた方がどうなろうが知ったことか…。「待てよ」と思わないのか?
ギリシャが経済破綻したとき、良いのかもしれない、と思った。
野口先生(野口整体)は「風邪がひけて良かったね」と言う。
風邪をひくという体の仕組み〜自浄作用が遂行できる、という点で健康のバロメータになるからだ。逆に「風邪などしばらくひいたことがない」はアブナイ。心身がカチカチになっていていつポキっと折れるかもしれない状態を反映しているから。
ギリシャは風邪がひけてよかったのだ。
さあ日本はどうだ? 仮に風邪などひいたとしても強力なクスリ(神風か!)で症状をごまかし、行くところまでイッてしまう民族なんであって、ギリシャの人々のようにだらしないのとはどうも違うらしい。
わたしはだらしないのでギリシャの人々にシンパシーを感じる。向こうは迷惑かもしれないがお友達になりたい。
だいたいギリシャには山羊がいっぱいいる。人口との関係で言えば、山羊一頭が2.5人のニンゲンを養っている。先進国・日本はどうだ?山羊一頭は1万人をかかえている計算になる(2007FAO)。
ひっひっひ、ウチはいま山羊三頭だから、ギリシャ並みにと思えばニンゲン7〜8人は生きていけるんだ。
話が曲がった。
先進国的に言えば、山羊なんぞ飼ってるから経済破綻するんだよ、だろうか。
親切にありがとう、きっとそうなんだ。だから「破綻」して君らのレースから降りるんだよ。
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山羊の頭数は北アフリカで人口を超えるクニがあり、極めつけはモンゴル、人口の7倍も!

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